ゴルフの二重振り子とは?よく言われる基本的な考え方
ゴルフスイングを説明する理論の中で、よく登場するのが「二重振り子」という考え方です。
聞いたことがある、もしくは一度はそれを意識して練習したことがある、という人も多いと思います。

まずは、一般的に言われている二重振り子の内容を整理してみますね。
第一振り子|肩から腕の振り子
二重振り子の「第一振り子」は、両肩から腕にかけての動きを指します。
支点は首や肩周りにあり、腕全体が一本の振り子のように動く、というイメージです。
体の回転に合わせて腕が大きく動くため、スイングの大枠を説明するには分かりやすい考え方です。


第二振り子|手首を支点にした振り子
もう一つが「第二振り子」。
こちらは手首を支点にして、クラブヘッドが振り子のように動くイメージです。
手元を大きく動かさず、ヘッドが自然に下に落ちてくる。
フェースが開閉しながらボールに当たる、という説明もここでよく使われます。


なぜ「二重振り子」は分かりやすく感じるのか
この理論が広く使われている理由は、とてもシンプルです。
- 動きを「振り子」に置き換えて説明できる
- 感覚ではなく理屈として理解しやすい
- 特に9時〜3時の小さなスイングでは再現しやすい
問題は、この先です。
二重振り子を考え始めて感じた違和感
二重振り子を真面目に考え始めると、ある地点からモヤっとしてきます。
9時〜3時までは理解できる
腰から腰くらい、いわゆる9時〜3時のスイングであれば、
二重振り子の説明はかなりしっくりきます。
- 手元がボール付近にある
- 手首が支点になってヘッドが動く
- 再現性も高い
ここまでは問題ありません。


9時以降、支点は本当に変わらないのか?
では、バックスイングが9時を超えたらどうでしょう。
腕がさらに上がり、クラブが立ってくると、
「手首が支点」という説明だけでは足りなくなってきます。
この時点で、
支点は本当に同じ場所にあり続けているのか?
という疑問が出てきます。


首・肩・肘…支点が増えすぎ問題
感覚的に見ると、
- 最初は首や肩が支点
- 途中から右肘が支点になっているように感じる
- トップ付近では右肩が支点っぽくなる
支点がひとつどころか、いくつも出てくるように感じます。


トップに行くにつれて起きる「支点のズレ」
ここが、二重振り子を難しくしている一番のポイントかもしれません。
右肘が支点になってヘッドが上がる感覚
バックスイング後半では、
右肘を中心にヘッドが持ち上がっていくような感覚になります。
これは多くの人が自然に感じる動きです。


トップでは右肩が支点になるように感じる理由
さらにトップに近づくと、
今度は右肩そのものが支点になっているように感じます。
ここまで来ると、
「第一振り子=肩、第二振り子=手首」という単純な構造では説明しきれません。


その支点のまま下ろすと、なぜダフるのか
問題はダウンスイングです。
トップ時点で支点がボールより右側(右肩・右肘)にある状態で、
そのまま振り下ろすとどうなるか。
理屈上、ヘッドは最下点を手前に作ります。
つまり、ダフりやすくなるのは当然です。


二重振り子理論が再現しにくい本当の理由
ここで、多くのアマチュアがハマります。
ボールより右側に支点がある矛盾
構えた時点で、
- 右肘
- 右肩
これらはすでにボールより右にあります。
その状態を支点として振り下ろせば、
毎回クリーンヒットする方が不自然です。


理屈としては正しいが、感覚としては無理がある
理論上は説明できても、
それを毎回感覚で合わせるのはかなり難しい。



支点が変わり続ける動きを、
毎回意識的にコントロールするのは現実的ではありません。
毎回これを合わせて打てるのか?という疑問
「二重振り子を意識して打てる人」は、
そもそももうスイングができている人なのでは?
という疑問が残ります。
二重振り子はどこまで有効なのか
ここまで来ると、
「じゃあ二重振り子は意味がないのか?」
という話になりますが、そうではありません。
二重振り子が活きるのは9時〜3時まで
小さな振り幅では、
二重振り子はとても優秀な説明になります。
- ミート率
- フェース管理
- インパクトの理解
これらには十分役立ちます。


それ以降は「振り子」という言葉が当てはまらない
フルスイングになると、
動きは振り子というより「連動した動作の連続」に近くなります。


振り子という言葉自体が、少しズレてくる感覚です。
フルスイングを説明するには情報が足りない
二重振り子は、
スイング全体を説明する理論というより、
一部分を切り取った説明と考えた方が自然です。
二重振り子で打てる人は、すでにスイングができている説
二重振り子で「コツを掴める人」の特徴
- 体の回転が自然に使えている
- 最下点の位置が安定している
- 無意識に支点を移動できている
こういった人は、二重振り子の説明が「後付け」でハマります。
アマチュアが同じことをやろうとしてハマる理由
一方で、
スイングがまだ固まっていない段階で
理論だけを真似すると、動けなくなるケースが多いです。
それでも二重振り子が無駄ではない理由
重心移動の理解には役立つ
振り子という考え方は、
体重の流れやバランスを理解する助けになります。


右手片手打ちとの相性は良い
右手片手打ちや小さなドリルでは、
二重振り子の考え方がそのまま活きます。
「スイングを作る」より「気づきを得る」理論
二重振り子は、
スイングを完成させるための答えではなく、
気づきを与えるためのヒントとして使うのがちょうどいい。
二重振り子は答えではなく、ヒントのひとつ
理論を信じすぎると動けなくなる
理論に縛られすぎると、
本来の自然な動きが出なくなります。
違和感を感じた時点で、思考は前に進んでいる
「なんかおかしいな?」
そう感じた時点で、理解は一段階進んでいます。
自分の感覚と照らし合わせることが一番大事
理論は参考程度に。
最後は、自分の感覚とボールの結果を信じる。
それが一番、遠回りしない方法だと思います。














